山梨大学前の星野書店

山梨大学前の小さな書店の日記です

話題の文藝春秋9月号

芥川賞受賞の2作が全文掲載され、売れ売れの文藝春秋
お盆でのんびり過ごしている間に読ませていただきました。

「火花」→ぜひ若い方たちに読んで欲しいと思いました!
特にいいな、と思ったのは
『必要がないことを長い時間かけてやり続けることは怖いだろう?一度しかない人生において、結果が全く出ないかもしれないことに挑戦するのは怖いだろう。(略)この長い月日をかけた無謀な挑戦によって、僕は自分の人生を得たのだと思う。』の部分です。
無駄に思えることも、面倒に思えることも、実は大事なことだったりしますよね・・。

「スクラップ・アンド・ビルド」→少子高齢化の重いお話しかと思いきや、思いがけなく楽しいお話でした。介護が必要なおじいちゃんと、その介護をしながら再就職をめざす孫。軽妙な文章でとても読みやすかったです。暗くなりがちな介護についても、切り口が違っているからか、自分にも起こりうる日常として身近に考えさせられるものでした。

「火花」が話題になったことで、本を読んでみようと思う人がひとりでも多くなればうれしいな。
読書体験は一度しかない人生を、何倍にもふくらましてくれるはずだから。