夏休みが終わり、息子の学校も始まった。
夜遅くになって「ぞうきんがない」という。
買い置きがないことを伝えると、
裁縫箱を取り出して自分で縫い始めた。
我が家にミシンはないし、頼みのばあちゃんは入院中だ。
「我ながら器用でよかったと思うよ」とか言いながら、
タオルを変身させていく息子。
そのうち「もういいや、これで」と、
飽きたような中途半端な声がし、針はしまわれた。
「なにこれ?まつり縫い!?」と驚く私。
ぞうきんにまつり縫いはないだろう・・。
しかももっとバッテン✖に縫ったりして強度を上げないと。
「いいのいいの」
ぞうきん(もどき)のそれは、さっさと鞄にしまわれた。
恐ろしいほど不器用な母親に頼むくらいなら、
自分でテキトーにやった方が気が楽。
そんな声が聞こえてきそうな顔だった・・。