今朝ご来店いただいた男性のお客様、「ラジオを聞いて、懐かしくてやってきました」と。
持っていた袋の中から取り出して見せて下さったのは・・、2冊の古い本でした。
几帳面にカバーをかけ、持ち主の方が大事にしていたのがよくわかりました。
「これは私のおじいさんの本です。星野書店から買ったと書いてあります。」
見開きページには、この本を買った日付のほかに、ちょっとした日記のようなことが流暢な字で記されていました。
本が貴重だった時代、手に入れるのに時間もかかったことでしょう。
注文をして入荷するのを待ってようやく手に入れたものかもしれません・・。
聞けば持ち主だったおじい様は、師範学校の先生で、晩年は英和学校で教鞭をとっていらしたとのこと。そして私の祖父と親交が深かったというのです。私が10歳の頃亡くなった祖父ですが、当時、英和学校をお得意様としていたことは私も聞いています。
早速父にこんなお客様がいらっしゃいましたと報告をしますと、どうやら思い出したようです。
「たしか数学の先生で、長野県出身だった。いつも和装に裸足で、私も教わったことがあるよ。漢文に精通していたなぁ・・。よく店にいらしてたよ」
と懐かしそうに言いました。
昭和22年に祖父が始めた店は今年で69年目です。
それなりに古い店といえますよね。
これからも細く長くつないでいけるといいなぁ。
たまたま先週、母と出演したラジオ。
聞いてくれた方はいるのだろうか・・と思っていましたが・・。
思いがけず、なんだかうれしい出来事でした。