山梨大学前の星野書店

山梨大学前の小さな書店の日記です

会社員、だった

中学生のとき職業体験に来てくれた子が就職をして、わりとすぐに、やめてしまった。

あら、こんなに早く?今どきの人は・・な~んて、言いません。

私に言う資格はないし、体や心を壊すくらいなら会社だって学校だって行かない方がいいと思っています。

 

私が某会社員だったころ(2年もたたずにやめてしまったのだから、新入社員のままやめたようなもの)自分にあっている仕事とは思えずモヤモヤしていました。

そこに母の病気が判明し、このまま続けるべきか、実家に戻るべきか悩んでいました。

 

その時、後悔しないようにと背中を押してくれた先輩がいました。

ランチを一緒に食べながら自分の経験を話してくれました。

 

先輩が新入社員だったころ、お父さんが病気で入院しました。

配属されたのはけっこう忙しい部署だったし、頼まれた仕事は断りづらくて、毎日残業。お父さんの病状が気になりながらも、病院にお見舞いできない日が続きました。

 

そうこうしているうちに、お父さんは亡くなってしまったのです。

 

もっと、会っておけばよかった。

もっと看病してあげればよかった。

仕事より大事なものがあったのに、断って早く帰ることを自分はしなかった。

そんな後悔があると教えてくれました。

 

だから私に、仕事はやめたらいいよ、といってくれたのです。

 

毎日繰り返す日々、中にどっぷりつかると見えなくなるものがあります。

ちょっと離れたところから冷静に考えてみると、本当にどうしたらいいのかわかることがあります。

そうやって、会社員をやめ、喫茶店をやり、本屋になった。

そんなところです。