10月に他界した父は甘いものが大好きでした。
お別れの棺に父の愛用品などと一緒に入れたのは、たくさんのどら焼きでした。
兄が買ってきた「浅草梅園」のどら焼きです。
たっぷりとあんこが入ってちょっとずっしりしたそれは、父の好物でした。
お葬式の後のこと。
親戚のおじおばたちの間で「あのどら焼きはみんな棺に入れちゃたのか。美味しそうだったな。たべてみたかったなぁ」と話題になったというのです。
それならばと、香典返しに「浅草梅園」のどら焼きを用意することにしました。
家族葬でしたから、親戚のほかにお香典をいただいたのは身近な知り合いばかリ。
お茶や葬儀屋さんのセットではなくみなさんに喜んで食べてもらえるものにしたかったのです。
結果的に大成功。
美味しかったー!と、とても喜んでいただけました。
まさかどら焼きを返すなんて・・父らしくて良かったです。
なぜどら焼きなのかを説明して、みなさんに笑っていただきましたから。
天寿を全うしたお祝いみたいなものだから、笑っていいよね。