山梨大学前の星野書店

山梨大学前の小さな書店の日記です

山梨大学で林真理子先生の講演会!

5月27日、山梨大学の講義室で先生の講演会がありました。
山梨大学の四学部合同の同窓会が主催するものでしたが、幸運にも一般の席が少しあり、私も聴かせていただくことができました。

山梨ゆかりのお話や作家になるまでの道のり、作品ができるまでの裏話などなど、楽しいお話が満載でした。

なかでも私が興味深かったのは、担当編集者の方々のお話です。
たとえば3・11後のボランティアで行われた、福島の高校での講演会のこと。生徒たちの反応は、「誰?このおばさん」という冷めた雰囲気。その中でいちばん感動していたのはなんと同行した講談社の担当編集者の女性で、この内容をぜひ作品にしましょう!と。彼女が熱心に企画したのが大ヒットした「野心のすすめ」だそうです。

また「花子とアン」の蓮子さまのお話ということでリバイバルヒットした『白蓮れんれん』。
執筆のきっかけとなった700通ほどの膨大な手紙の資料は、解読不能なくずし字だったため、林先生には読めず。有能な編集者が何人かがかりで解読し、ワープロに打ちなおしてようやく読むことが出来たとこととか。
編集者のかたの役割って大きいし、さまざまなんだな、ということがよくわかりました。

いつでも複数の連載を抱え、常にお忙しい先生。
よくそんなに書けるなぁ・・と思ってしまいますが、作家にとって書くことは快感で、
筆がのると勝手に手が文章を書いているような状態になるとおっしゃってました。
凡人にはとても考えられないけど・・。

あと、そんなに忙しくてよく体が持つなぁ・・。なんてのんきに感心しちゃいますが、やはり体調管理は非常に気をつかっているそうです。
特に新聞の連載小説のお話は印象的でした。どんなに大変でも、ものすごくやりがいのある仕事で、作家のヒノキ舞台であること。1日たりとも休めないので、新聞社に「常に10日分のストックを用意します」と一筆さしいれることなど。

さまざまなエピソードを披露して下さったので、これから作品を読むときにはそれらをふまえ、さらに楽しめそうです。

店頭には先生のサイン色紙をかざらせていただております。新刊「中島ハルコの恋愛相談室」も発売になりました。みなさま、ぜひお店に足をお運びください。