振り返ってみれば。
決して多くはない読書量でも、
心に残っているものがいくつかあるのです。
本屋の娘でありながら、
本をたくさん読めたらかっこいいと思いながら、
たいして読んでこなかったけど。
この年になって気づいたら、
それなりに自分が惹かれる本の傾向というのが、
あったのかもしれない、と思えるのです。
こんな風に生きてみたい、
こんな人でありたい。
そう思えるような刺激を、
本を読むたびに、
その都度、うけていたのかもしれない。
(たぶん)人生の半分以上を生きてきて、
今の自分を作っているのが、
経験というものであるならば、
その中には〈読んだ本〉も含まれるのだと、
はっきりと思うのです。